Chapter5(2/3ページ目)
チョロ砂漠へGO!(前)
さて、アグネスはひとまず自宅に戻った。
「ただいまー」
「おかえりなさーい、アグネス」
「これからチョロ砂漠に行って来るよ、母さん」
「まあ、結構遠いのね。健康に気をつけてね。あ、そうだ。ちょっと待ってて」
アグネスの母は、倉庫から何かを取ってきた。
「これは、ウチの秘伝のオイルよ。多分、体がピンピンになって、あなたの全体の動力性能が上がると思うわ、一時的には」
「ふーん。ありがとう、貰っておくよ。じゃあ行ってきます」
このオイル、今はトランクにしまっておこう。その内役に立つかも。
アグネスは家を出た。
アグネスは、チョロQタウンの西の未開発地域へと向かった。
こちらは、まだ道は悪いが一応開通していて、西の海岸へと繋がっている。危険な山道となるが、これしか道はない。
「よし、行くぞ」
標高3000M級の山間の道がずっと続く。
マウンテン・マウンテンの近くに来たようだ。
走っても走っても対向車がいないし、木しか見えない。
「こっちでいいんだよ・・・ね」
さらにしばらく走ると、渓谷に出た。
小さな川が流れている。
しかし、その先に道がない。
「もしかして、この川の中を走るの?オールラウンド系列は水路に弱い・・・気をつけないとパンクするかもな・・・」
川に入る。
3月なのでまだ水は冷たい。
「ひえー。こんなのむちゃくちゃだよー。何を考えてるの、作者〜?」
それでも進まなければチョロ砂漠にはたどり着けない。
「よし、覚悟を決めなくては――」
その時、後ろから誰かが来た。
バラートだ。
「よお、1レースぶりだな」
「やあ、バラートか。レースはどうだった?」
「当然1位さ。お前は?」
「ウン、僕も1位だ。バラートはどこへ行くの?」
「俺の次のコースは海だから、西の海岸へ向かうんだ。じゃあ急ぐからこれで」
バラートは猛スピードで川を駆け抜けた。
「あ、バラートはスクリュー持っているんだ・・・」
アグネスは当然まだ持っていない。
さらに5キロほど進むと、まともな道が見えた。
『Welcome to westresort〜ようこそ西のリゾートへ。〜』
「これってようこそじゃないと思うけどな・・・ファックション!あー、カゼひいちゃったかな」
2キロ位進むと、海岸に出た。
「おっ、結構暖かいな。でももう5時半だし、今日はここのQ's Factoryに泊まろう」
〜ウエストリゾート Q's Factory〜
「こんばんは〜。一晩泊めさせてもらってもいいですか?」
「いいよ。兄チャン。ゆっくりしていきな」
「あの、ここからチョロ砂漠へはどうやっていくんですか?」
「その前の道をずーーーーっと進んだとこだ」
「何か遠そうだ・・・」
「まあ、ちゃんとした道はあるからそれだけでもいいと思うぜ・・・」
そして次の日――
「泊めていただいてありがとうございます」
「いいってことよ。またいつでもおいで」
今、午前9時だ。ちょうどチョロQシティやチョロQタウン、クラスクシティへ向かうチョロQの通勤・通学ピークが過ぎて、のんびりした時間がビーチに流れる。
「もうそろそろ行きたいけど、バラートの出るレースもやっているからなあ・・・レースを見てからチョロ砂漠に行くか」
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最終更新日(09.07.15)
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