Chapter13(4/6ページ目)
会いたい、けど会えない

コルテックスは、エヌ・ジンのことが心配で仕方がなかった。

「いや、別に心配になっていた訳じゃないからな。気になっているだけだ。誤解しないでくれ」

これは失礼。

コルテックスは、エヌ・ジンのことが心配もとい、気になっていた。

コルテックスにしてみれば、あの手紙は自殺を仄めかしているようにしか見えなかった。

「ああ、そうとしか読み取れん。まあ、アイツが簡単に自分で死ねるとは思わんがな・・・」

コルテックスは、少し考えた末、操縦舵のほうに行った。

手紙を見つける結構前に、エヌ・トロピーからの電話があった(Chapter 6参照)。

まだ思い立っていなければ、そのまま彼のところにいるだろう。

「エヌ・トロピーの下にいるとなると――嫌だなぁ」

二人は馬が合わず、何回も衝突を繰り返していたのだ。

何日か前の電話の応対ぶりを聞けばすぐに分かることだ。

コルテックスは、エヌ・ジンの安否を確かめたいものの、また一方では、エヌ・トロピーの研究所に出向くことを嫌っていた。

結局、コルテックスはその場に残ることにした。

どうせ面倒は見てくれるわけだし、今の最優先事項は打倒バンディクー。

決心してから、どれだけ経ったんだっけ?

互いに顔を見合わせて無いから、全く戦っている気がしない。

(見つかってはいけないが、さすがにこれは暇すぎるぞ・・・?)

コルテックスは正直なところ、マンネリ化したサイクルにうんざりしていた。

そろそろ、自分から飛び込んでみようか。

・・・。

・・・。

「――やっぱり、もう我慢ならん!」

コルテックスは一丁の光線銃を片手に準備しつつ、潜水艦を再び岸へと近づけていった。

この島に目指す敵がいないことも、ジャッキーがいないことも知らずに・・・

無駄骨を折ってこそ、勝利へ近付くことが出来るなら。

コルテックスは、その勝利へ向かって歩いているつもりでいた。

[1]前項(3/6)
[3]次項(5/6)

[*]戻る(クラッシュ・バンディクー 乱れ合う絆)
[0]トップ

最終更新日(11.04.13)
ページ作成