Chapter10(3/6ページ目)
シカゴへ

「ハ・・・ハ・・・クションッ!」

「凍えそうだじょ〜」

北半球に入ってからしばらくして。

さすがに空の上はすぐに冷えてくる。

二人とも、既にガタガタと震えはじめていた。

空は澄みきっていて、地平線の果てまで見えそうだ。

遥か眼下の大海原も自然の雄叫びをあげている。

しかし、そんな光景を気にする前に、ここは寒すぎた。

上空は強い風が絶え間なく吹き、気を付けないと煽られてしまうかもしれない。

「ま、これも飛行の醍醐味のひとつなんだけどね。スリリングだし」

「冗談じゃないじょ〜」

無線の「どうぞ」の合図は面倒になってやめてしまった。

ジャッキーはこんな『地獄』のような世界から解放されたいようだった。

(こんなに辛いんだったら付いてくるんじゃなかったじょー・・・ボクちんのバカッバカッ!)

ジャッキーは、こんな選択をした自分を恨んだ。

これじゃ完全にクラッシュのペースだ。

あのとき、クラッシュを引き止めておけば良かったのに!

後悔してももう遅いのだけど、それでも思いっきり後悔した。

そのまま二機はずっと向こうまで行ってしまった。

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最終更新日(10.06.01)
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