Chapter8(3/4ページ目)
ジャッキーとクランチの焦り

その日の夜――

結局ココは戻ってこなかった。

だから、男三人で料理して、毛繕いして、そして何もすることが無いのでもう寝ることになった。

「ジャックはどこかテキトーなとこで寝ていていいよ。場所なら沢山あるから」

クラッシュはジャッキーにそう言って、自分の部屋へと消えていった。

後にはクランチとジャッキーが残った。

「あっ――それじゃ、俺ももう寝るぞ。まあ、居心地悪いかもしれないが、ゆっくりしてくれよ――じゃあな」

「あ・・・うん――それじゃ、ボクちんもそろそろ寝るじょー」

クランチも自分の部屋に戻っていったが、ブツブツ独り言を言っていた。

「あぁ、やっとチビクマちゃんに会える〜♪一緒にいないと不安でいてもたってもいられないぜ、ふぅ・・・」

ジャッキーはこれを聞き逃さなかった。

(チビクマちゃん?なんだじょ、それは――)

その時、部屋が真っ暗になり、窓から差し込むピカールの光が眩しいくらいになった。

クランチが居間の灯りを消したのだ。

ジャッキーは暗い中、クランチのチビクマちゃんについて考え始めた。

把握できることなら、何でもいい、知っておきたい――。

ジャッキーは考えて――

「コルテックスさまに報告するじょー。何か分かるかもしれないじょー」

ということになった。

やっぱり産みの親だし、何か知っているかもしれないと考えたのだ。

ジャッキーはトゲトゲの中から携帯電話を出そうとした。

しかし――。

「あれ?無くなってるじょ?!」

ジャッキーの携帯電話はクラッシュの家の近くに落ちたままになっていた。

ひょんとしたことで落ちたものだから、誰も知る由がなかった。

ジャッキーは慌てたが、騒がないように自己規制するのが大変だった。

「こ・・・これはピンチだじょ・・・どうすればいいんだじょー・・・?」

半分途方に暮れながら、ジャッキーはマットレスの上に横になった。

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