Chapter4(2/3ページ目)
悪の始動パーティー
城の研究所から再び騒ぎが起こった。
時間は丁度3時を過ぎ、辺りはまだ明るいが、『嫌な雰囲気』が漂っていた。
それから暫くして、コルテックスが先程にも増して疲れた顔をしながら外に出て来た。
何だかやつれているようにも見える。
それもそうだった。
コルテックスは、ウカウカにパーティーをしている現場を見られてしまったのだ。
ウカウカの言うことには、「何でワシを呼ばなかったのだ!」ということだった。
どうやら、ウカウカもパーティーに参加したかったらしい。
なのに、自分には秘密でパーティーを開いて・・・
ということで、コルテックスはお目玉をくらってしまった。
「大体、こんなのが一緒にパーティーにいたら台無しだ。それこそ『絶命パーティー』だよな・・・」
コルテックスがお目玉をくらっているときにこう言ってしまったから、状況はますます悪くなった。
本人はボソッと言ったつもりだったが、運悪くウカウカの耳にその言葉が入ってしまったのだ。
「貴様・・・今なんて言った?」
「えっ?いや、私めは何も申してなんかいませんが、アハハ――」
「嘘つけぃ!」
「ヒッ」
コルテックスは縮み上がるが、ウカウカは逆に怒って膨れあがったように見えた。
傍から見れば、ウカウカはコルテックスに被さっているように見えるほどだろう、それほど近い距離にいた。
「誰がいるとパーティーが台無しになるって?誰がいると『絶命パーティー』になるって?」
「それは・・・あの――なんだ、その――アー・・・」
コルテックスはしどろもどろして、片言が次々と飛び出し、言葉が繋がらない。
「ワシを除け者にしおって、お前はワシの目の上のたんこぶだ!」
「あの、これは、世界征服に向けたプロジェクトの一環で――」
コルテックスは事実を言った。
確かに、このパーティーは『作戦成功を祝う前倒しパーティー』ということにはなってはいたが・・・
「フン!まだ何も成果をあげてないお前が言えることか!いつもいつも、ワシをイライラさせおって。前に言ったよな・・・」
「・・・」
「ワシの命令を達成出来なかったのはお前だけだと・・・もう何年待ったことか」
「15・・・年位?いや、それ以上か」
「当たり前のように言うことか・・・?」
「あ、いえ・・・まさか、そんな滅相も無い・・・でも、あのバンディクーどもが邪魔をす――」
コルテックスの言葉はウカウカの怒りの呪いに飲み込まれて聞こえなかった。
もはや銅像のように固まっているコルテックスに向かって、ウカウカはさらに凄みを増している。
「それも――前に――聞いた!いい加減、成果の一つでも上げんかッ!」
「アー――実は、ウカウカ様、既に作戦は始まっているのです――」
コルテックスは作戦の内容をウカウカに説明し始めた。
段々とウカウカの怒りも収まったようで、最終的には感心したような面持ちになったように見えた。
「ふむ・・・いつもとは違うな。いつもなら、最初からドカンといく」
「はい、それが違いといえばそうです」
「やることは分かった。じゃあ――」
「?」
「――早く行ってこい!」
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最終更新日(09.08.27)
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