Chapter4(1/3ページ目)
悪の始動パーティー
「では、今後の成功を目指して、乾杯っ!」
コルテックス側の主要メンバー――エヌ・ジンからはじまり、タイニー、ディンゴダイル、コモド兄弟、リパー・ルー、ピンストライプなど、大勢いる――がほとんど揃っている。
しかし、エヌ・トロピーはいなかった。
「乾杯っ!!」
みんなで贅沢な食事を囲んだ。
どれだけ久々のことだろう、こんなこと。
もしかしたら、一度だって無かったかも知れない。
誰もが好き勝手におしゃべりしている。
「ガォーッ!タイニー、はやく食べたい!」
「まあまあ、落ち着けよ、タイニー。もう食べてもいいんだぜ――どうだ、今日の焼き具合は?俺っちの火炎放射器の調子は最高だったからな」
「そうだな、いくらでも食えちゃうよな、兄貴?」
「そっれはお前だけだろ、モー。俺はそそっ、そんなにブクブク太ってなんかいないッゼ?」
「ふぅ〜、君達は品格が無いなあ。もうちょっと静かに食べることを知らないのか?それよりも――あぁ、タウナは元気かな・・・」
「まあまあ、ピンストライプ殿、とりあえず落ち着きなされ。きっと大丈夫ですよ・・・まあ、昼からパーティーが出来るのは拙者が早く仕事を終えたからですな。我ながら天才ですな」
「ん?!天才はアチキだじょ!イーッヒッヒッヒ・・・」
目の前の焼肉を前に、みんなの士気は急上昇していた。
コルテックスはそんな手下にとても満足していた。
「ン、ェへン・・・」
本格的にパーティーが始まろうとしたときだった。
コルテックスは、意味ありげに咳払いをした。
その姿には、いつも以上に悪のオーラを垣間見せられる。
その場にいたみんなは、期待の顔を浮かべながらコルテックスを見た。
ただ、タイニーとリパー・ルーは気付かなかったようだ。
「あれ?何でみんな黙ってるの?もうパーティーはおしまい?タイニー、もっとやりたい!」
「あれ?誰もアチキの天才なる自伝を聞かないンか?ア〜ッヒャッヒャ・・・」
と、二人ともこんな調子だった。
「あ〜、パーティーを楽しむのもいいが、そろそろ作戦を開始しようと思う。エヌ・ジンはワシと一緒に行動するんだ、他のヤツらは――って、ちゃんと聞けよ・・・」
コルテックスを熱心に見つめていた手下も、みんなまた焼肉にかぶりついていた。
コルテックスが喚いている間にも、焼肉は宙に消えゆくようにどんどん無くなっていった。
「おい、この焼肉は何の為だと思っているんだ?今の今からやる作戦の為だ!あくまで、景気付けなんだからな」
「まあまあ、コルテックス殿、今回は思いっきり楽しみましょうよ。次にいつこんなことが出来るか見当もつかぬ、満腹バンザイ!」
「満腹バンザイ!」「バンザイ!」
他のみんなもエヌ・ジンに続いて三唱した。
「はぁ、ダメだこりゃ。先が思いやられるわい・・・それより、早くアイツらを呼ばないとな――タイニー、ディンゴ!」
「ん?何だ?」「え?な〜に?」
この二人は、コルテックスに信頼されている部下だ。
この二人が居るからこそ、コルテックスの動物軍団がスゴく見える、それほどコルテックスにとっては重要な二人だ。
コルテックスは威厳を取り戻し、とても重要なことを話すかのように――まあ、実際に重要なことなのだが――言った。
「お前達に頼みたいことがある・・・」
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最終更新日(09.08.27)
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