おまけ
キャンピングカーは、次の目的地に着いたところだった。
既に空は暗くなり始めていた。
周りは、自然が手を広げて歓迎しているように見える。
「わあ!今度の場所も気持ち良いところだね、おじいちゃん」
キャンピングカーから真っ先に降りたグウェンが言った。
「ああ、なかなかのものだろう、ベンも降りて見てみないか」
「うん、でも今は手が離せないんだ、先に行ってて」
「そうか。後悔しても知らんぞ」
それから十分後。
森にいたグウェンのことろにベンがやってきた。
丁度小川があるところで、グウェンはその流れを見て楽しんでいた。
土と地面に落ちた枝や葉っぱを踏む音に気付いた彼女は、はっと顔をあげた。
また誰かが襲って来るのではないかと恐れたのだ。
だが、やって来るのがベンだと分かって安心したようだった。
ベンは、キョロキョロ周りを見渡しながら「じいちゃんはどこにいるの?」と聞いた。
彼女は「さあ、分からない」と答え、彼は「そう・・・」と応える。
ベンはグウェンに言った。
「あ・・・あのさ・・・グウェン」
「えっ?」
「実は、プレゼントがあるんだけど、ほら、この前の・・・」
『この前の』だけで説明がついた。
やはり、この前の出来事は印象に残っているようだ。
「本当?変なのじゃないでしょうね」
ベンは背中に隠していたラッピングされている箱を、体をもじもじさせ、顔もちょっとだけ赤くしながらグウェンに差し出した。
グウェンは驚きと喜びが入り交じったような表情で、その箱を受け取った。
「わあ、嬉しい。一体なんだろう・・・・・・!!!」
それからまた十分ほど経った。
ベンとグウェンはキャンピングカーに戻ってきた。
グウェンは、ベンより一歩遅れてついて来ている。
もう外が暗くなっていたからだ。
でも、本当はもうひとつ理由がある・・・。
マックスは二人の様子を不思議そうに見ていた。
ベンのプレゼントの中身・・・。
それは、ベンとグウェンの二人だけ(あと、オムニトリックスの中のエイリアン達も入りますね)の秘密です。
このことは、あまり触れないようにしてあげましょう。
読者の想像するモノ、それがプレゼントの中身かも知れません。
これも雨のようにふりかかる出来事の一つです。