Chapter10(1/4ページ目)
すろーらいふと港の生活、そして用事(前)

マウンテン・マウンテンに来てから3日目。

アグネスは意外にもトレーニングに励んでいた。

アーパスさんの沢山の優勝カップを見て、気でも変わったのだろうか。

「はっはっはっはっ・・・・あ〜、なんかずっと同じ景色だとつまらないというか、やってられないんだよねぇ」

アグネスはランニングマシーンで持久力をつけるトレーニングをしていたが、飽きてしまったようだ。

アグネスにしてみれば、走っているのに景色が変わらないのは嫌らしい。

他の器具も使ってみたが、どれも長持ちしなかった。

「ちぇ、こんなことになるならトレーニングしに来るんじゃなかった。――そうだ、アーパスさんのところへ行ってみるか」

アグネスは今日もアーパスさんにお世話になることにした。


「やあ、アグネス。今日は何の用かな?パーツ交換かい?」

「あの、えっと・・・畑仕事をさせて下さいっ」

「えっ・・・そうか、じゃあ、道具を持ってくるから昨日会った場所で待っててくれるか」

「はい、じゃ、先に行っていますから」


アグネスはアーパスさんの畑へと向かう。

最初ココに来たときは空気が薄くて少しクラクラしたけど、今は大丈夫だ。慣れてきたのだろう。

こうして見回してみると、なかなかいい所だな・・・

空は清々しく晴れ渡り、太陽が笑いかける。

雲は自分の下を無心に流れている。

そして、純粋な心を持ったやさしい住民達・・・

僕、将来はここで暮らしてもいいかもしれない・・・

その時、アグネスは畑の向こうでコソコソ動く影を見た。

どこかでみたような色と形をしているけどどこでみたか分からない。

・・・あっ、向こうに行っちゃった・・・あれは誰だろう・・・


アーパスさんの畑に向かうと、そこは一面土だった。

今はまだ4月。これから種を植えたりする時期だ。

どんなモノを作るのか、ちょっと楽しみだ。

僕は一度も農業に従事したことは無いけど、何か楽しそうだ。

とりあえず、まずは土を掘り返す作業から。

この作業、僕が思っていたよりもはるかに過酷なものだった。

シャベルを土に挿す。

掘り起こして、戻す。

この作業を延々と続けた。

やっているうちに、だんだん僕の体力が奪われていく。

集中力も途切れてきて、うかうかしているとアーパスさんに少し注意された。

「これ位でへこたれてどうするんだ」って。

注意されてから、また作業に戻る。

やり始めたときとは比べ物にならないほど気分は落ちていた。


気付いたら、既に夕方になっていた。

昼食抜きで8時間近く働いていたようだ。

「やっ、こりゃ良く頑張ったな。なかなかいい出来だ。じゃ、今日のお駄賃だよ」

アグネスは10000Gもらった。

ちょっと多めな気がするけど・・・

「ありがとうございます、僕はもう宿に戻りますから・・・」

「うん、じゃあな。明日も待ってるぞ、ここに朝の5時だぞ」

「えっ!・・・あの・・・は・・ぃ」

かなり動揺してしまった。

10000Gあげたから明日も来い、ってことか・・・

アグネスは曖昧な返事をして、アーパスさんに別れを告げた。


「はぁ・・・今日は疲れた。もう寝よう」

アグネスは宿について自分の部屋に入ってすぐに寝てしまった。

よほど疲れていたのだろう。


ところ変わってここは空き家。謎のアグネスにそっくりな奴がいる。

目的は何なのだろうか・・・。

「フフフ・・・5月8日・・・この日がいいか・・・」

この日に彼は何をするのだろうか。まあ、その時に分かるだろう。



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最終更新日(09.07.20)
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