Chapter8(1/3ページ目)
耐久体験?ロングサーキット

今日は曇り空。今にも雨が降りそうだ。

そして、なんか負けそうな気がする・・・。

いや、そんなこと考えちゃダメだ!集中しろ!アグネス!

今のアグネスはこんな気分だった。

しかし、掲示板を見てそんな思いは吹き飛んでしまった――




公式レース
レベル1
ロングサーキット(Q2)(5周)

◇出場車◇
ハセガワ3131(HG1) ◇優勝候補◇
ベンジー(HG2)
ブラウンドッグ(Q2)
ファニーギャロップ(HG1)
アグネス
クワーノ(HG2)
パープルシャドウ(ワンダフォー!)
バラート(HG4)
スーパー4WD(Q1、Q2)
マルサン(オリジナル、マルヨンの父が補欠で登場)

◇賞金◇
1位 1000G
2位 500G
3位 250G
以下100G




「ちょっと!5周もするってどういうこと?もろ耐久レースじゃないか。大丈夫かな(賞金が高いな、どうしても優勝しなくちゃ!)」

「ピットも開いてるぜ・・・結構厳しいな(魅力的な賞金じゃないか)」

「この地方でも耐久レースはあったんだね。タイヤの選択が重要だよ。グリップの高いタイヤは基本的に減りが早いけど・・・」

「けど・・・なに?」

「例外もある。ウン、ところで、このコースのランクは何なの?」

「――ランク4だぜ。パンフレットに書いてある。でも、ランク1のショートサーキットとランク2のミドルサーキットの合体コースだ。そう考えれば結構簡単に見えると思うぞ」

「あっ、そうなんだ。それなら結構楽かも・・・」

「ハセガワ3131、それ正気なの?ロングコースを5週だよ?」

「ウン、正気だけど。前はよくカントリーグランプリに出てたからね。ガベージバスターの次に遅かったけど」

「ふーん・・・」

アグネスとバラートは声を合わせた。

今回のレースももしかしたら、ハセガワ3131が勝ってしまうのではないかと思っていた。

『ピンポンパンポーン』

アナウンスが聞こえてきた。

『まもなく、公式レース、レベル1、ロングサーキットのレースを開始いたします。出場車の方は、スタートポジションにお急ぎ下さい』

「――行こう」

「・・・うん。行くか」

「おう、行こうぜ」


〈さあ、今回のレースは、成績によって出場するレベルが決まる!だれもがトップを狙っています!上位4台がレベル2の下位4台に挑戦し、勝った選手はレベル2へ、負けた選手はレベル1に残留です!今回の注目選手は前回のチョロ砂漠で見事トップに立ったハセガワ3131!彼は着々と成績を上げてきており、今レースも活躍が期待されます!また、チョロ砂漠で優勝候補ながらも調子の悪かったアグネス、バラートは名誉挽回できるのか?!さらに、今回はゲストにマルヨンの父、マルサンを入れております。彼は現役時代、トップクラスのレーサーでした!〉

(そんな人(チョロQ)がレベル1に出ていいの?)

3・・・2・・・1・・・スタート!

まずは選手たちのタイヤと耐久性能を見てみよう。


ハセガワ3131
グリップタイヤ 耐久性能3.6

ベンジー
スポーツタイヤ 耐久性能3.3

ブラウンドッグ
オールラウンド+2 耐久性能3.7

ファニーギャロップ
グリップタイヤ 耐久性能3.6

アグネス
オールラウンド+4 耐久性能3

クワーノ
スポーツタイヤ 耐久性能3.3

パープルシャドウ
ゴールドタイヤ 耐久性能5

バラート
オールラウンド+1 耐久性能3.4

スーパー4WD
オールラウンド 耐久性能3.1

マルサン
ロングライフタイヤ+フリーホイール 耐久性能15.8


明らかにマルサンが有利だ(ロングライフタイヤとフリーホイールは玩具が元ネタ)。

完全なる耐久使用である。

アグネスの装備するオールラウンド+4は、グリップはなかなかだが耐久性能に欠けるので、後半になると多少不利だ。

ハセガワ3131やファニーギャロップが装備するグリップタイヤ系統は、グレードが上がるごとにすべての性能が上がる。


さて、レースのほうは、滑り出しはマルサンが好調だ。

(あの人、本当にマルヨンの父親?対極的だぞ?!)

アグネスは第一コーナーを曲がる。

このカーブは緩いので、あまりスピードを落とさなくても曲がれる。

グリップ走行でファニーギャロップを抜かす。

バラートはチョロ砂漠の経験生かしてか、ゆっくり走る。

ハセガワ3131はブラウンドッグをブロックする。

(この人は加速がいいからブロックしてもすぐ追いつかれる!今から体力使い果たしても仕方ないし、いったん退こう、これも作戦だ。耐久だからあのペースだと後半はヤバいだろうな)

ハセガワ3131は、ブロックをやめて、ブラウンドッグを通した。

(コイツ正気かよ?ブロックをやめるとは・・・)

クワーノとパープルシャドウは談話中(していて平気なのか?)。


こんな調子で第1コーナーを抜ける。

続くコーナーは緩いS字で、ブレーキをかけずに通過できる。

当然誰もブレーキをせずに通過。

この後の第4コーナーが難しい。

短い直線の後のヘアピンカーブ。

この後はやや長い直線なので、ミスをしたら大きく離される。

なんと、マルサンは曲がりきれず激突!

「・・・スロー・ステアにするんじゃなかったわい・・・」

そう、サーキットは反応の遅いステアのほうが有利だ。

でもさすがランク4のコース。

そういうところも抜かりがない。

マルサン以外のチョロQは、奇跡的にも、順調に抜ける。

「やっぱりオジサンはオジサンだよね・・・」

トンネルを過ぎ、アグネスはブラウンドッグを射程範囲に入れた。

(確か、あの人は加速が良くて、何気にブロックが強い!生半可な作戦だと、こういうコースでは抜かすことはできない!)

とりあえず、スリップストリームに入る。

アグネスのスピードはどんどん上がっていく。

「さすが、Q'sの人って物知りだな〜。このテク使えるな」



実は、レースに出る前にこっそり教えてもらっていたのだ。

『いいか、サーキットではスリップストリームが重要なんだ。 直線では、できるだけ前の敵の後ろ側にいるんだ。』

『はあ・・・一応やってみます・・・』


これを武器に、今回は勝ってみせる!



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最終更新日(09.07.20)
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