Chapter12(4/4ページ目)
洗脳が解けた・・・?

「・・・そう言えば――」

クラッシュの機嫌が何とか直ってきた頃、ココがふと言った。

「何?」

勿論、クラッシュは聞き返す。

とても好奇心が旺盛で、あどけない表情は、まるで子供のよう。

ココは、何か突っかかるような、そんな表情だ。

「なぁ、なんなのさ」

もう一回聞く。

「――あのね、ちょっと気になったの・・・」

チラリとジャッキーを見ながら言った。

ジャッキーは、そのつもりが無いのに、思わずドキリとした。

「そもそも、どうしてジャッキーは私たちの所に来たのかしら・・・?」

「ん・・・そんなこと、気にする必要があるの?」

今度は、クラッシュが逆に質問した。

「だって、今ジャッキーは――え〜っと――洗脳が解けたんだろ?」

「お兄ちゃんのところに来たときから洗脳は解けていたかな・・・」

「アッ――」

クラッシュも気付いた。

ジャッキーは、コルテックスの指令を受けてオイラのところにやって来たんだ。

つまり・・・つまり・・・

「・・・事の大きさに気付いたかな」

ココが言った。

「うーん・・・」

「鈍いわね」

ココは苦笑いした。

「いや、事情は飲み込めたけど――いつもはもっとこう――」

クラッシュは、大げさな身ぶりで、何かが突っ込むような仕草をしてみた。

「――ドッカーンッ!ってやってくるだろ。クランチを創り出したり、自分からこっちに出向いたり」

「考えが変わったんじゃない?」

ココは間を置いてから静かに言った。

「あのデッカイ平頭も成長するものね・・・」

「確かにな――そうだ、ジャッキー?」

クラッシュはジャッキーを呼んだ。

兄妹の話し合いに飽々して座っていたジャッキーは、呼ばれると嬉しそうに二人のところに来た。

「何なの、クラッシュ」

「あのね・・・覚えていないかな――」

「?」

「――ここ何日かのこと。コルテックスのこと、少しでも思い出してくれると嬉しいんだけどな」

「うーん・・・」

「そんなすぐには思い出せないわよ」

ココが水を差すように言った。

「分からないさ。もしかしたら、何かのキッカケでひいと記憶が――」

「戻ってきたら、ジャッキーは敵側に戻るでしょうね」

ココが決定的なことを言ってしまった。

「アッ・・・そうか」

クラッシュはガクッとして落ち込んだ。

「まあいいや。この機械でコルテックスを見つけて、やっつければいいだけだ」

「それは無理」

ココはあっさりと言い流した。

「色々厄介なことになりそうだったから、コルテックスはデータベースに入れていないの。今から入れるにしても、凄く時間がかかるわよ」

「チェッ、面倒なことをしてくれたな・・・まあいいや――」

クラッシュは開き直ったような声で言った。

「――また、冒険が始まる・・・ってことだ」

「うーん、そうね――今回は寧ろ、探求の旅じゃないかしら。コルテックスの・・・」

「探求の旅、か・・・」

クラッシュは噛み締めるようにその言葉を呟いた。

これから、長い旅になりそうだ。

まずは、タウナとクランチを見つけ出そう。

それから――どうすればいいんだろう、全く先が見えない。

でも、探求の旅と言うからには、暗中模索するに違いない。

中途半端な始まりだったけど、終わりはキレイにまとめてやるっ。

――クラッシュは小さな決意を決めた。

打倒コルテックスに向けて・・・

「う〜ん、思い出せない――って、僕はいつまでこうしていればいいの?」

クラッシュとココは、ジャッキーをまた無視してしまったようだ。

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