Chapter9(1/6ページ目)
チビクマちゃん騒動
「?」
ジャッキーは不思議がっていた。
「――なんでそんなに隈があるのかじょー?」
クラッシュとクランチは、目の下に隈をつくっていた。
「ああ、これはね・・・ちょっと、色々とあって・・・」
「うん、あんまし気にするなよ・・・ふぁあ〜・・・」
クランチは大きなあくびをして、テーブルに伏っ潰れる。
クラッシュはウトウトしながらイスに座っている。
二人ともヨレヨレになっていて、今にもぶっ倒れそうだ。
「・・・結局、チビクマちゃんなんて見つからなかったじゃないかー、まったく・・・」
クラッシュは目を擦りながら言った。
結局、チビクマちゃんは見つからなかったらしい。
(チビクマちゃん・・・もしかしたら、何か分かるかも知れないじょー・・・)
ジャッキーは何気ない感じを装って聞いてみた。
『フリ』をするのは得意だった。
「クランチ――」
「なんだ?ジャック」
「チビクマちゃんって何だじょ?ペットなのか?」
クランチの顔に少しだけリンゴ色が差した。
「ああ――それはだな・・・えーっと――」
「クランチが寝るときに一緒に連れているピンクのぬいぐるみだよ」
クラッシュは動作もなく言った。
「あっバカ!内輪だけにしたかったのに!」
クランチはジャッキーには言いたくなかったようだ。
「クランチはぬいぐるみと一緒に寝ている、ってことなのかじょ――ふーん・・・」
「おっ?」
「ほら、変な目で見られちったじゃんか!」
「ごめーん、アハハ・・・」
完全に他人事のようにクラッシュは笑った。
「・・・っあ」
クランチが呟いた。
「お前、チビクマちゃんをいじくってなんかいないよな?」
「何のことだじょ?」
クランチはジャッキーに矛を向ける。
ジャッキーはビックリした。
何もやっていないのに・・・
「クランチ」
クラッシュが言った。
「あんまり他人(ひと)を疑うのは――」
「うるさいな、クラッシュはリンゴでも食べてろ!」
「なんだよ、ただのぬいぐるみが無くなっただけで」
クラッシュがそういった途端、クランチの動きがふつと止まった。
「――そうか。そうか・・・アイツのことなんか、みんなどうでもいいって思ってんだな」
「ああ、そうさ・・・無いといけないわけじゃないだろう」
クランチの態度に、クラッシュも少し冷たく言った(本当は早くこの話を終わらせたいから・・・)。
クランチは怒りが頂点に達しそうだったが、何とか思いとどまる――ことは出来そうになかった・・・。
クラッシュとクランチは火花を散らせ、今にも飛びかかりそうだ。
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最終更新日(10.06.01)
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