Chapter6(6/6ページ目)
張込開始

外でボーッと空を眺めていたジャッキーにも、二つの悲鳴は聞こえてきた。

ボーッとしていたジャッキーは、そのせいでビクッとしてしまった。

「な・・・何だじょ?アイツらはまだ寝ていなかったのか?何をしているのか知りたいけどなぁ・・・カーテンのせいで見えないじょー・・・」

ジャッキーは今一度窓を覗いたが、やはりカーテンはそのままになっていた。

ジャッキーは覗くために踏み台にしていたタルからピョンと降りて、「チェッ」と言いながら地面を蹴った。

イライラしてきたので少しトゲが逆立っていたが、それでもまだ冷静にいることは出来た。

(とりあえず、コルテックスさまに報告するじょー。夜だけど、この際仕方が無いじょー。・・・もしこっそり作戦を立てていたら大変だし・・・)

背中のトゲの中から携帯電話を取り出した。

全然使っていないのに、もう電池の残量は殆ど無く、少し不安だ。

「大変だじょ、早く充電したいけど、エヌ・ジンさまと連絡が取れないじょー・・・とりあえず、今は報告だけ・・・」

そしてコルテックスの番号に電話をかけた。

意外にも、コルテックスはすぐに反応してくれた。

「もしもし、何かあったのか、ジャッキー?」

しかも、冷静ではっきりしていて、何処と無く安心したような声だ。

明らかに、さっきと比べて声質が柔らかい。

「あの・・・アイツらがずっと起きてるんだじょー」

「そうかそうか・・・良く分かったな。どんな様子だったか分かるか?」

「え〜っと・・・カーテンがかかっていて分からなかったじょ・・・でも、クラッシュとココの悲鳴を聞いたじょー」

「悲鳴をか?――多分、大したことでは無いと思うぞ。せいぜい、ドッキリパーティーを開いたとか、その程度だろう」

コルテックスは自分を落ち着かせるように言った。

そして再び話し出す。

「少しは情報が掴めた。よくやった。少しでも情報の多いほうがいいからな。次の報告にも期待しているぞ、頑張ってくれ」

「あの、今やるのはダメなのかじょ?」

「だったらとっくにワシが始末してるわい。それでは気が済まない。そうさ――」

「?」

「――恐怖を見せしめ、そしてやっつける。そうでもしないと気が済まない」

「でも、やるなら早いほうがいいじょー。いつやるじょ?」

「う〜ん・・・アイツらが海岸に遊びに来たとき・・・だな。まさに、とっておきのサプライズよ、それじゃあ、次の連絡を待っているからな」

コルテックスは電話を切り、ジャッキーも同じく切った。

まだジャッキーの周りにはピカールが沢山いて、明るい。

寝ようにも寝れなさそうだ。

結局、目が冴えてしまったジャッキーはまた空をボーッと見ることにした。

時間はあまりにもゆっくり流れて、まるで止まったかのようだ。

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最終更新日(10.02.07)
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