Chapter5(3/3ページ目)
喧嘩
ゴゴゴゴゴ・・・・・・。
辺りに激しい音が鳴り響く。
エヌ・ジンは、空に二本の白い筋を残しながら飛んでいた。
スピードを出して飛ばすことで、さっきのいざこざを忘れようとしていた。
「さて、何処に行けばいいのやら・・・」
エヌ・ジンは一人途方に暮れる。
「ジャッキーに渡すつもりだった充電器・・・今ごろ向こうは焦っているのかも知れんな・・・
いや、もう拙者には関係の無いことなのだ!」
エヌ・ジンは暫くその場に留まって何かをしていた。
誰かと連絡を取っているのだろうか。
そして行き先が決まったのだろうか、彼は急に進路を変え、猛スピードでその場を去った。
その時、エヌ・ジンは落とし物をしたのだが、本人は気付かなかった。
それは生き物のように波打つ海の上に落ちた。
『もう決めた。拙者は――する、すまないとは思うが、宜しく』
肝心な部分は既に滲んでしまい、何と書いてあるかは分からなかった。
宛先の部分も、ファーストネームのNの字はかろうじて読めたが、あとはやはり黒く滲んでしまっている。
詳しい内容は分からなかったが、何かを決めたのは確かだ。
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最終更新日(10.02.07)
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