Chapter1(2/3ページ目)
とある一日のはじまり
「くぴ〜、すか〜、ぐぅ〜・・・くぴ〜、すか〜、ぐぅ〜・・・」
ここはタスマニアの『ヘンテコドッキリ島』、別名『ジャングルの島』にあるクラッシュの家。
今日もこの家から幸せそうな「いびき」の音が聞こえてくる。
もう時間は朝。もうじき起きる時間だろう。
太陽が地平線の向こうから朝の光を投げかけている。
その光が、赤い屋根の丸い家を照らし、その家を煌びやかに飾った。
間もなく、奥の部屋のドアが開いて、中からまだ目をトロンとさせた女の子が出てきた。
「・・・ん、う〜ん・・・ふゎぁ・・・あー、まだ寝たいよ・・・」
ココが起きてきた。
夕べは遅かったのだろうか、少し目の下に「くま」が出来ていた。
目を擦って、パチクリさせて、もう一度目を擦る。
まだ寝たいようだ。
それでも気持ちの良い布団から離れ、とある部屋へと向かった。
「クランチ?もう起きてるの?」
ココはクランチの部屋の扉に向かって呼びかける。
「おう、もう起きてるぜ!もう朝飯なのか?」
「え・・・いや、まだだけど。私、まだ起きたばっかり」
「そうかそうか。俺は今、基礎トレーニング中なんだ。残りはスクワットとバーベル上げと、あと――」
そんな言葉をココはちょっとだけ冷たく遮った。
「はいはい、朝ごはんが出来たらすぐに来てちょうだいね」
ココは今度はクラッシュを起こしに行く。
クラッシュは布団も無しに床で寝ていた。
それでも、気持ち良さそうに「くぴ〜、すか〜、ぐぅ〜・・・くぴ〜、すか〜、ぐぅ〜・・・」を繰り返している。
ココは半ば呆れ気味に言った。
「お兄ちゃん、起きないの?今日は海に行くんじゃ無かったの?お兄ちゃん!」
無駄だった。
クラッシュはそれでも安らかに眠っていた。
ココはクラッシュを起こすのを諦めて、朝食作りに取りかかることにした。
いつもこれなのだ。
起きないのは分かっていた。
食べ物で釣らないと滅多に起きないのだ。
「さあて、今日は何にしようかな・・・?」
ココは、寝ているクラッシュをそのままに台所へと向かった。
それから30分程経って。
クラッシュの家の中に、いい匂いが漂い始める。
間もなく、ココがクラッシュとクランチを呼ぶ声が聞こえてきた。
「お兄ちゃ〜ん、クランチ〜、朝ごはんできたよ〜」
[1]前項(1/3)
[3]次項(3/3)
[*]戻る(クラッシュ・バンディクー 乱れ合う絆)
[0]トップ
最終更新日(09.08.27)
ページ作成