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チョロQ 最速伝説?


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Chapter 5 チョロ砂漠へGO! (前)

「ちょっと遠くないですか?!地下鉄とかの交通手段は・・・」

「ない。あくまでも自力だ」

「そんなぁ・・・」

「そんなに厳しいか? あの距離が? ならこれを売ろう」

「???」

「オールラウンド+4だ。私はオフロード中心にレースをするので、このタイヤは何年も使っていない。
多分お前なら有効に使ってくれるだろう。水路と雪道以外ならバンバン走れるぞ」

「いいんですか? たしかショップでは1200G・・・」

「ああ、そうだ」

「わあ、ありがとうございます」

「『タダ』でとは言ってないぞ、『売る』んだよ」

「売・・・売る・・・? いくらで?」

「1000Gか、ポイント5ポイントだ」

「うーん、1000Gは持ってないからポイントで・・・」

「ありがとう。ではこのタイヤは君のものだ。今履くか?」

「はい」

早速、履かせてもらった。

「よし、これであのイベントに参加できる!」

「?」

「大陸ダートラリーさ。500ポイントで参加できるけど5ポイント足りなかったんだ。5ポイントをくれた君のためにも優勝するよ」

「頑張ってください!」

二人(二台)はそれぞれの方向へ行った。



さて、アグネスはひとまず自宅に戻った。

「ただいまー」

「おかえりなさーい、アグネス」

「これからチョロ砂漠に行って来るよ、母さん」

「まあ、結構遠いのね。健康に気をつけてね。あ、そうだ。ちょっと待ってて」

アグネスの母は、倉庫から何かを取ってきた。

「これは、ウチの秘伝のオイルよ。多分、体がピンピンになって、あなたの全体の動力性能が上がると思うわ、一時的には」

「ふーん。ありがとう、貰っておくよ。じゃあ行ってきます」

このオイル、今はトランクにしまっておこう。

その内役に立つかも。

アグネスは家を出た。

アグネスは、チョロQタウンの西の未開発地域へと向かった。

こちらは、まだ道は悪いが一応開通していて、西の海岸へと繋がっている。

危険な山道となるが、これしか道はない。

「よし、行くぞ」

標高3000M級の山間の道がずっと続く。

マウンテン・マウンテンの近くに来たようだ。

走っても走っても対向車がいないし、木しか見えない。

「こっちでいいんだよ・・・ね」

さらにしばらく走ると、渓谷に出た。

小さな川が流れている。

しかし、その先に道がない。

「もしかして、この川の中を走るの? オールラウンド系列は水路に弱い・・・気をつけないとパンクするかもな・・・」

川に入る。

3月なのでまだ水は冷たい。

「ひえー。こんなのむちゃくちゃだよー。何を考えてるの、作者〜?」

それでも進まなければチョロ砂漠にはたどり着けない。

「よし、覚悟を決めなくては――」

その時、後ろから誰かが来た。

バラートだ。

「よお、1レースぶりだな」

「やあ、バラートか。レースはどうだった?」

「当然1位さ。お前は?」

「ウン、僕も1位だ。バラートはどこへ行くの?」

「俺の次のコースは海だから、西の海岸へ向かうんだ。じゃあ急ぐからこれで」

バラートは猛スピードで川を駆け抜けた。

「あ、バラートはスクリュー持っているんだ・・・」

アグネスは当然まだ持っていない。

さらに5キロほど進むと、まともな道が見えた。

『Welcome to westresort〜ようこそ西のリゾートへ。〜』

「これってようこそじゃないと思うけどな・・・ファクション! あー、カゼひいちゃったかな」

2キロ位進むと、海岸に出た。

「おっ、結構暖かいな。でももう5時半だし、今日はここのQ's Factoryに泊まろう」



〜ウエストリゾート Q's Factory〜

「こんばんは〜。一晩泊めさせてもらってもいいですか?」

「いいよ。兄チャン。ゆっくりしていきな」

「あの、ここからチョロ砂漠へはどうやっていくんですか?」

「その前の道をずーーーーっと進んだとこだ」

「何か遠そうだ・・・」

「まあ、ちゃんとした道はあるからそれだけでもいいと思うぜ・・・」



そして次の日――

「泊めていただいてありがとうございます」

「いいってことよ。またいつでもおいで」

今、午前9時だ。ちょうどチョロQシティやチョロQタウン、クラスクシティへ向かうチョロQの通勤・通学ピークが過ぎて、のんびりした時間がビーチに流れる。

「もうそろそろ行きたいけど、バラートの出るレースもやっているからなあ・・・レースを見てからチョロ砂漠に行くか」



公式レース レベル1 海(3周)(注 スクリュー禁止)
◇出場車◇
パープルシャドウ(ワンダフォー!)
ベンジー(HG2)
ハセガワ3131(HG)
ブラウンドッグ(Q2)
メタルビート(Q1)
クワーノ(HG2)
ファニーギャロップ(HG)
シルベスタ(HG2)
コイーン(HG2)
バラート ◇優勝候補◇

◇賞金◇
1位 500G
2位 250G
3位 150G
以下 40G



「へぇ、バラートってもう優勝候補になっているんだ。初級サーキットでも頑張っていたし。ハセガワ3131も出てる」

<今回の注目選手は、新人にして2回目のレースで優勝した、バラート選手です! 彼のバーニング走行をまた見せてくれるのかどうかに観衆の期待が寄っています!!>

3・・・2・・・1・・・スタート!

「今回のレースも優勝してやるぜ!」

「僕もそろそろ頑張らなくちゃ・・・」

<おおっと、スターと早々からバラートとハセガワ3131が好調だ! その後をブラウンドッグ、メタルビート、ファニーギャロップが追い上げます。
さて、次は海の中へ入りますが、ここは車体が重い車が有利なのです・・・>

「二人ともやるな・・・なんかもう一度勝負したら負けるかも・・・」

<おお?! ここで車体の重いベンジーが一気に追い上げる!! コイーンもなかなか速い! かえってバラートやビートル三兄弟はスピードが出せないみたいだ!>



このときの選手たちのシャーシは、
パープルシャドウ 普通のシャーシ △
ベンジー 超★重いシャーシ ◎
ハセガワ3131 重いシャーシ ○
ブラウンドッグ かるいシャーシ ×
メタルビート かるいシャーシ ×
クワーノ ライトシャーシ △
ファニーギャロップ 最高のシャーシ ××
シルベスタ フェザーシャーシ △
コイーン ノーマルシャーシ △
バラート かるいシャーシ ×



<1位の選手が今、海から出てきました! トップはベンジーです!
その後がハセガワ3131、コイーン、クワーノ、シルベスタ、バラート、パープルシャドウ、ブラウンドッグ、メタルビート、ファニーギャロップです。
さあ、この先は桟橋、しばらくスピード勝負となります、、、>

「おっ、ハセガワ3131ってなかなかやるな。でもたしかスピード勝負はまるでダメじゃなかったっけ・・・しかもバラートがいまいち伸び悩んでいるじゃないか。大丈夫かな」

さて、そのころ先頭グループは――

「やっぱり僕はスピードでは勝てないな・・・」

こう言っているのはハセガワ3131ではない。

ベンジーだ。

彼は車体が重いので、なかなかスピードが上がらないのだ。

そのスキに、ハセガワ3131が抜かそうとした。

「今のうちにっ!」

「なんの! ブロックだ!!」

重いシャーシと超★重いシャーシでは、当然超★重いシャーシが有利。ハセガワ3131はなかなか抜かせない。

そのうちに、コイーン、クワーノ、シルベスタ、バラートが追ってきた。

「こんなにたくさんはブロックできない・・・・」

ミシ・・・ミシ・・・・・・

「ちょっと変な音がしないか?」

異変に気づいたのはバラートだった。



<さあ、先頭グループが橋げたを抜けました。次は川越えです! 只今、ベンジーがトップを死守しています・・・
ああ、バラートに抜かされた! そのスキに他の車も全員ベンジーを抜かし、ベンジーは6位に転落だ!>

実況が言っていた川だが、川幅は大したことないが流れが速く、軽い車ほど流されやすい。

結果、バラートはかなり流され、スピードが落ちたが順位は変わらず。

後ろの集団も少し流されたが順位は変わらずだった。

そのまま連続カーブを抜け、二周目に入る。



中間順位
1位 バラート
2位 ハセガワ3131
3位 クワーノ
4位 シルベスタ
5位 コイーン
6位 ベンジー
7位 メタルビート
8位 ブラウンドッグ
9位 ファニーギャロップ
10位 パープルシャドウ


QC暦0098年3月31日(火)
走行距離 25Qkm
所持金 950G
ポイント 7ポイント
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